霧に包まれた森の奥深く 雨の囁きが響き どこからともなく鹿の声が聞こえた それら全てが、静寂へ溶けてゆく Takumichi Seoが切り取る、美しい光の世界をお楽しみください
鳥海山の初雪の日。たまたま私はそこに居合わせた。
春が始まる頃 、私は山梨県の森の奥深くにいた
静かな湖のほとり。日が沈む中、気高い山がその姿を湖面に映す。
冷たい風が、白い吐息を運ぶ。 凍えるような寒さだ。 遠くから、聞き慣れない声が聞こえてきた。
ふわりと、月明かりが森を照らしていた。
風で、クマザサが揺れていた。 静かな、静かな、ささやきのように。
小さな世界に宿る、繊細な光。
長野で立ち寄った山奥の林道。美しい秋を眼に焼き付けながら進んでゆく。
長野を旅している時に出会った、忘れることのない光景。
初めて入る林道。幻想的な空気を纏う古木が佇む。
長野県の山で、私は美しい水面と出会った。天候により左右されるその色は気難しく、次々と表情を変える。
木々は冬支度をしていた。 風は葉を運び、葉は音を立てて重なる。
暗闇が訪れる前の一瞬の、幻想的な世界。
森を生きる鹿のように。木々の狭間から冬を見つめた。
冬の森。 凍てつく程に寒い世界に浮かぶ、淡い光を帯びた氷柱。
とても寒い、とある冬の日。 誰もいない森の中、静かに佇む木に目が留まった。
新緑の季節。暗い森の中に光が落ち、幼い葉が輝いていた。
心に衝撃と余韻を残す光景に出会、残す。
川の流れが続く、知られざる秘境。